- 水虫ってどんな症状?
- 市販薬で治るの?
- どのタイプの薬を選べばいいの?
一言で水虫と言っても、いくつかのタイプに分かれています。
実は症状のタイプ別にお薬の剤形を選択することで、効果的に治療できるのです。
この記事を読めば、水虫のタイプと特徴を理解することができるので、あなたに最も適したお薬が選べるようになりますよ。
水虫とは

水虫といえば「足の裏や指の間の皮がポロポロ剥けて、とても痒い」とイメージしませんか?
実は水虫とはカビ菌の一種「白癬菌」が原因でおこる皮膚の病気で、感染した場所で名前が異なります。
頭部に感染した場合は頭部浅在性白癬(シラクモ)、太腿の内側の感染は股部白癬(インキンタムシ)、手に感染すれば手白癬(手水虫)、その他の体の部位であれば体部白癬(タムシ)と名前が変わります。
今回は最も代表的な足白癬(足水虫)と爪白癬(爪水虫)について説明していきましょう。
ちなみに現代の日本人の4人に1人が足水虫に、10人に1人つまり1000万人以上が爪水虫に感染していると言われています。
水虫はうつる
水虫の人と一緒にいるだけでは、もちろんうつることはありません。
白癬菌が皮膚に接触し、かつそのまま皮膚に長期間住み着いてしまうことで感染します。
普段は皮膚内で潜伏しているだけで、表には出てきませんが、1日中靴を履いている方やスポーツで汗をかいたりすることで水虫菌が好む「高温多湿」の環境が長い時間続くと白癬菌が増殖し始めて、水虫が発症するのです。
水虫の種類

足水虫
大きく分けて3つのタイプがあります。
趾間びらん型
足の指、特に薬指と小指の間にできやすく、最も多いタイプ。
初めのうちは赤くなり、その後だんだんと白くふやけて皮が剥け始めると、むずむずとかゆくなることが多い。
白くふやけた皮をむしるとただれて、液が出る。いわゆるじゅくじゅくタイプ。
小水疱型
足の裏やふちに小さな水泡ができ、非常にかゆい。
小水泡は通常2~3mm程度ですが、時により大きくなることもあります。
初夏頃から症状が増悪し、秋頃になると症状が改善するため、治ったと勘違いしてしまう人が多い。
角質増殖型
足の裏全体、特にかかとの部分の角質が分厚くなり、表面がザラザラになって皮がむけてきます。
冬になると角質の乾燥が進み、ひび割れを起こして痛みを伴う事もある。
かゆみなどの自覚症状はありません。
皮膚が厚みを増しており、とても乾燥しているため塗り薬だけだとあまり効果がありません。病院で飲み薬を処方してもらい併用する必要があります。
爪水虫
白癬菌が爪の中に入り込み、爪表面がゴツゴツ分厚くなったり、ポロポロ剥がれたりします。
足水虫を放置したことが原因のほとんどです。
症状がひどくなる前にきちんと治しましょう。
水虫薬の選び方
水虫のタイプ別に、それぞれ特徴のある剤形を選びましょう。
” 趾間びらん型 ” には
いわゆるジュクジュク水虫には、クリームや軟膏タイプの塗り薬がおすすめです。
患部が湿潤しているので、液体タイプは避けましょう。
皮膚のふやけた患部を保護し、薬剤がしっかりと浸透します。
軟膏の方が刺激が少ない。また、クリームの方は伸びがよくサラッと塗りやすいのがそれぞれの特徴ですのでお好みで選択してください。
” 小水疱型・角質増殖型 ” には
プツプツ・カサカサ水虫には液体タイプがおすすめです。
乾いてカサカサした患部に、薬剤を含んだ液体がサッと浸透して使用感もさっぱりしています。
角質が分厚くなっている部分に軟膏やクリームを塗っても、なかなか浸透しづらいので十分な効果が期待できません。
” 足裏全体・広範囲 ” には
塗る範囲が、足の裏全体的の場合はスプレータイプが便利です。
パウダー配合なので、塗布後のペタペタ感などなくサラッとした使用感が特徴です。
シューッと冷たい刺激が痒みも和らぎます。
爪水虫
爪水虫には残念ながら、市販の塗り薬では効果がありません。
医療機関に受診して、専用の塗り薬や飲み薬を処方してもらいましょう。
医療用と同じ成分の水虫薬
医療用で使われていた成分のお薬が、市販やネット販売で購入できるようになりました。
病院で出るお薬は、どんな名称で市販されているか見ていきましょう。
ラミシール(塩酸テルビナフィン)
1日1回 患部の周りまで広めに塗りましょう。
クリームと液体の2剤形。
「ラミシールAT」に痒みを抑える成分が配合されたものが、「ラミシールプラス 」です。
「ラミシールプラス」と「ラミシールDX」の違いは、パッケージに足のイラストが書いてあるかないかだけで、中身は全く同じです。デリケートゾーンの表記を加えた商品らしい。

メンタックス・ボレー(塩酸ブテナフィン)
クリーム、液体、ミストスプレー、パウダースプレー、冷却ジェットスプレーの5剤形。
症状にあわせて、適切なタイプから選べます。

アスタット(ラノコナゾール)
軟膏、クリーム、液体の3剤形。
ジクジクして染みる症状は、この軟膏タイプが最適です。

治療のコツ
白癬菌は、暖かくなったり湿度が高くなったりすると症状が出始めますが、反対に寒かったり湿度が低いと皮膚の中で身を潜めてしまうため治ったと思って薬をヤメてしまう人がとても多いのです。
きちんと理解して、しっかり直すためにも以下のポイントを参考にしてください。
- 毎日石鹸でよく洗い、患部を清潔に
- 足の蒸れには要注意
- 薬は患部より広めに塗りましょう
- 症状が落ち着いても最低1ヶ月、タイプによっては半年は塗り続けましょう
- 家族にも症状があれば、一緒に治しましょう
まとめ
水虫のタイプと、それに使用するお薬の違いや特徴をお話ししました。
今回のように医療用のお薬が、市販薬でも販売できるようにスイッチされたものが増えてきました。
ぜひ、ご自分にあったお薬を選びの参考に役立ててください。
清潔・乾燥・根気です!
