市販の水虫薬って、何度か使ったことがあるけどあまり効かなかったんだよな
やっぱり病院で出してもらえる薬じゃないと治らないのかな?
そんな疑問を解決できる記事になっています。
結論から言うと、水虫のタイプによって、適切な剤形を使用することで十分な薬効を発揮することが出来るのです。一方、タイプに適応した剤形を選ぶことができなければ「この薬を使ったけど全然効かなかった」ということになるのです。
これからの記事を最後まで読めば、きちんと理解した上で簡単に薬剤を決めることができるので、自身のタイプにあわせたより効果的な薬が決められます。
なぜなら僕が薬剤師で、調剤薬局とドラッグストアの両方に勤務経験があり同じような悩みを持つ方と多く接していてお薬の相談を受けているからこそお話できるのです。
水虫にはタイプがあって、使う剤形が違う
● 液剤に有効な水虫は
液剤が最も効果的な水虫は患部がカサカサした乾燥タイプです
なぜなら、乾いた状態の患部に最も浸透が早い剤形であるからです
乾燥した大地に水がサッと吸い込まれるのと同じですね
繰り返しになりますが、カサカサ乾燥タイプには液剤が最も効果的なのです。
● クリーム剤に有効な水虫は
クリーム剤は比較的全てのタイプに使用できますが、特に効果的な水虫は患部の皮がむけているタイプと、ポツポツ小さい水疱があるタイプです
なぜなら、クリーム剤はサラッとしていて乾いたところでも伸びがよいので、指の間の皮むけ部分など塗りにくいところにもしっかり薬剤が届きます。
指の間それぞれに塗るときに、スーッと伸びるクリームだと塗りやすいですよね。
皮むけ型とポツポツ水泡型にはクリーム剤が最も有効なのです。
● 軟膏剤に有効な水虫は
軟膏剤が効果的な水虫は、ジュクジュク型とひび割れ型です。
なぜなら、軟膏もジュクジュクの浸出液を吸収します。また患部を保護する作用が強いのです。クリーム剤は患部に薬剤を届ける力は優れていますが、一方で患部からクリーム剤自体が取れて早くなくなってしまうしまうという短所があります。軟膏剤はクリーム剤に比べて患部に留まりやすいという長所があります。
クリーム剤と液剤にはスーッとした清涼感を出すためにメントールが含まれています。ひび割れた皮膚に使用すると、しみて痛みがあることがあります。
ジュクジュク型とひび割れ型には、軟膏剤が最も有効なのです。
タイプ | 部位 | 有効な剤形 |
趾間型 | 指と指の間 | 乾燥している場合 ・液体タイプ ジュクジュクしている場合 ・軟膏タイプ ・クリームタイプ |
小水疱型 | 足の縁、土踏まずなどの足裏 | 水疱がまだ破れていない場合 ・クリームタイプ 水疱が破れてしまった場合 ・軟膏タイプ |
角質増殖型 | かかとや足裏全体 | 乾燥している・皮膚が硬くなっている場合 ・液体タイプ ・クリームタイプ ひび割れている場合 ・軟膏タイプ |
ピロエースWとピロエースZの違い
ピロエースW
ピロエースWは抗生物質「ピロールニトリン」と抗真菌剤「クロトリマゾール」の2つの成分を配合しています。
治療を始める前は痒みが強くて掻き壊してしまうと、患部が黄色くただれたり浸出液が出てジュクジュクしている、いわゆる二次感染を起こしていることが多いです。
まずは、抗生物質で二次感染の治療を行い炎症を起こした患部の状態を戻しながら、同時に水虫菌の治療も行なっていきます。
ピロエースZ
ピロエースZは長時間患部に貯留し、1日1回の使用で済むため、薬を塗る手間が省けることが利点です。
そして、軟膏以外の液とクリームには痒み止め成分もきちんと入っています。
痒みを伴う水虫はカサカサ皮むけ型と、ポツポツ水疱型で、これらのタイプに有効なのは液タイプやクリームタイプです。
ジュクジュク趾間型とひび割れの角質増殖型は、痒みよりも痛みが伴うことが多いので、痒み止めや刺激のあるメントールなどを使用していないものを選ぶ必要があります。
以上のことより、医療用の「アスタット」と同じ「ピロエースZ」を使用すればよいと言えます。
病院の薬を使ったほうが早く治るのか?
例えば、血圧の薬をもらっている内科でついでに水虫の薬をくださいとお願いすれば、きっと何かしら薬は出しているもらえるでしょう。
しかし、それは水虫のタイプに適応した剤形の薬でしょうか?
調剤薬局では処方せんに書かれている薬はお渡しします。しかし、実際は同じ先生が処方する水虫薬はワンパターンであることが多いのです。
水虫のタイプや皮膚の状態に関係なく、いつも決まったお薬が処方されているという事です。
正しい剤形を選べば、しっかり効く
水虫のタイプによって、適切な剤形を選ぶことができれば十分な薬効を発揮することが出来るのです。
一方、タイプに適応した剤形を選ぶことができなければ「この薬を使ったけど全然効かなかった」ということになるのです。
また、痒みや皮むけがよくなったらすぐに使用を止めてしまうのではなく、きれいになってからさらに3ヶ月くらいは続けないとしっかり治りません。
水虫と間違えやすい症状
水虫とよく似た症状を示すほかの皮膚疾患もあります。それぞれ治療法が違うので、しばらくくすりを使ってもよくならないときは、他の病気かもしれません。
一度、皮膚科を受診した方が良いでしょう。
- 接触皮膚炎(かぶれ)・・赤くなって痒みが出る
- 汗疱性湿疹・・・・・・・汗が原因。皮がめくれて痒い場合もある
- 皮膚カンジダ症・・・・・白癬菌ではなくカンジダ菌。白くふやけた状態になる
- 細菌の感染・・・・・・・湿った部位で繁殖し、ただれたり臭くなったりする
まとめ
水虫のタイプと、塗り薬の剤形を正確に選ぶことができれば、市販でも医療用と同じお薬を使用して治療することができるのです。
ピロエースシリーズにはWとZの2種類があります。
患部がただれていたり化膿している状態ならば、まずは「W」から始めることをオススメします。
炎症が落ち着いてから医療用と同じ「Z」を使用しましょう。
おさらい
- 趾間型・・・・・指の間の薄皮がめくれる。痒い。夏は白くふやける。
- 小水疱型・・・・足裏や縁にポツポツ水疱ができる。痒い。
- 角質増殖型・・・皮膚が角化して肥厚。痒みはない。ひび割れると痛い。
- 液剤・・・・・・患部が乾燥しているものに。痒い水虫に。
- クリーム剤・・・塗る範囲が広いものに。痒い水虫に。
- 軟膏剤・・・・・ジクジクしている。痛みがある水虫に。
- 清潔・・・洗って綺麗にしてから薬を塗る
- 乾燥・・・蒸れない状態を心がける
- 根気・・・3〜4ヶ月続けて使用する
患部の状態があまり良くない時のファーストチョイス
ピロエースW軟膏
医療用のアスタットと同じです
ピロエースZクリーム