汗ばむ季節。いつの間にかあせもができちゃって嫌になっちゃう。
薬局のあせもの薬は白くなるから使いたくないの。
どうしたらいいのかしら・・・
暑い時期になると出きてしまう「あせも」
赤ちゃんから大人まで年齢に関係なく、経験した事がない人はいないでしょう。
今は、白残りしないような「あせも」の塗り薬がありますよ。
掻き壊してしまう方が良くないので、賢くお薬を使いましょう。
これからの記事では、原因や予防・対策を知る事で「あせも」がひどくならないような方法をまとめました。
最後まで読んでもらえれば、誰にでも出来てしまう「あせも」の上手な対処法が分かりますよ。
なぜこんなことをお話ができるのかというと僕が薬剤師で、調剤薬局とドラッグストアの両方に勤務経験があり同じような悩みを持つ方と多く接していてお薬の相談を受けているからこそお話できるのです。
あせも(汗疹)について理解しよう
あせもとは
あせもの病名は汗疹(かんしん)という、立派な皮膚疾患。
汗をかくことによって皮脂や汚れなどが汗の管(汗腺)に詰まり、かゆみのある赤く小さな発疹が汗のかきやすい部分に急速に現れます。
本来なら肌を清潔に保ち、涼しくしていれば自然と治ります。
しかし痒みがあるため、かき壊したりゴシゴシ洗ったりすると症状が悪化してしまうのです。
あせもってどんな症状?
出典:田辺三菱製薬
あせもには2種類あります。
① 赤いあせも(紅色汗疹)
一般的に言われるあせもです。
1〜3ミリ程度の赤いポツポツができ、かゆみやチクチクした痛みをともなうこともあります。
② 白く透き通ったあせも(水晶様汗疹)
透明の小さなポツポツ(小水疱)ができますが、痒みなどの症状はほとんどなく1日〜数日で消えてしまいます。
あせもによく間違われる症状に汗あれ・汗かぶれがあります。
あせもと同じように痒みがありますが、汗をかいた部分の皮膚が全体的に赤くなります。
これは汗をかいた部分と衣類や下着がこすれ合って刺激になったり、汗に含まれる塩分やアンモニアが肌を刺激することで、汗にかぶれた状態なのです。
でも、これもあせもって言いますよね。
汗で赤くなって、かゆくなったらあせもってことでいいんじゃないしょうか。
あせもになる原因
あせもの原因はやはり大量の汗をかくこと。
汗を排出する管が大量の汗の成分やホコリなどによって詰まり、行き場のない汗が皮膚の中にたまって周囲の組織を刺激することで発疹(小さなポツポツ)ができます。
特に、高温下や運動で大量の汗をかいたり、ギプスを着用しているときなど通気が悪い状態のときによく起こります。
対処や予防は?
あせもは本来なら肌を清潔に保ち、涼しくしていれば自然と治ります。
そのため家庭でのスキンケアで治していくのが、基本的な対処方法です。
- 汗の管がふさがらないよう肌を清潔にしましょう
- 汗をかいたら、長時間皮膚に接触したままにならないように濡れたガーゼやタオルなどでこまめに拭き取ってあげたり、シャワーで洗い流すようにしましょう
- お風呂上がりには保湿剤を使用して、肌のバリア機能を保つようにしましょう
- 皮膚を掻くことで細菌感染が起こり、とびひなどに進展することがあるため、とにかく掻かないようにしましょう
- あまり痒みがひどい場合は、炎症やかゆみを抑える市販薬(OTC医薬品)を使用してみてもよいでしょう
夏は気温も湿度も高いので、エアコンを上手に使って汗をかきすぎないように工夫したり、汗を吸収しやすい素材の服を着せる、汗をかいたら着替えをさせるなどが大事です。
HPローション
シャワー後の保湿に
ヘパリン類似物質配合で高保湿
あせもができてしまったら
軽度のあせもであれば、清潔に保ち涼しくしていれば自然に治りますが、かゆみが強かったり炎症が強くなってきた場合は塗り薬を使うと早く良くなります。
市販で買えるあせもの薬
酸化亜鉛を配合したもの
酸化亜鉛とは、皮膚から出る分泌物を吸着して患部を乾燥させる働きがあります。
ただし、塗ったところが白く薬が残ります。
- かゆみを抑え、かぶれを鎮めます。
- 患部を乾かし、治りを早めます。
- 清涼感のある白色リニメント剤です。
- ステロイドが入っていません。
有効成分
成分 | 効能 |
---|---|
ジフェンヒドラミン | かゆみ止め |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | かゆみ止め |
リドカイン | 局所麻酔作用で痒み・痛みを抑える |
グリチルリチン酸二カリウム | 抗炎症作用 |
イソプロピルメチルフェノール | 殺菌効果 |
酸化亜鉛 | 患部の乾燥と治癒促進 |
白残りしない、酸化亜鉛未配合
白くならないので首回りなど、外から見える場所に使いやすい。
サラッとした使いごごちです。
- 局所麻酔成分と抗ヒスタミン成分がかゆみをすばやく鎮め、殺菌成分があせもの悪化の原因となる雑菌を殺菌します
- ジェル基剤にパウダーを配合しているので、ベタつかずサラサラした使い心地で、白残りしません
- 非ステロイド・無香料・無着色で、大人から子供まで幅広くお使いいただけます
有効成分
成分 | 効能 |
---|---|
ジフェンヒドラミン | かゆみ止め |
リドカイン | 局所麻酔作用により痒み・痛みを抑える |
イソプロピルメチルフェノール | 殺菌作用 |
スプレー・ミストタイプ
背中などの届かない場所や、範囲が広い場合に非常に便利です
- 大人のあせも、かゆみに。シュッとすばやく使えます。
- 手が汚れない、ノンガスミストタイプです。
- アルコール、メントール、カンフル無配合で、お肌にしみません。
有効成分
成分 | 効能 |
---|---|
ジフェンヒドラミン | かゆみ止め |
アライントイン | 皮膚の保護作用 |
ベンゼトニウム塩化物 | 殺菌作用 |
グリチルリチン酸二カリウム | 抗炎症作用 |
ジブカイン塩酸塩 | 局所麻酔作用による痒み・痛みを抑える |
ステロイド配合タイプ
通常、あせもにステロイドを使用することはあまりありませんが、かゆみや炎症が非常に強い場合は一時的に使用することもあります。
- ステロイド成分や抗炎症成分など6種の有効成分配合。
- 最も弱いクラスのステロイドなので、安心して使用できます。
- ベタつかず、のびのよいクリームタイプ。
ステロイド剤を使うと、すぐに良くなると思います。
しかし、一旦良くなっても短期間で振り返す、なかなか良くならない。そんな場合はだらだら使用することはやめて、医療機関を受診してください。
まとめ
あせもについての、原因や対処法について十分お分かりになりましたか?
- あせもの原因は大量にかいた汗によるもの
- 本来なら肌を清潔に保ち、涼しくしていれば自然と治る
- 皮膚ケアをすることで、十分予防ができる
- 痒みがひどい場合は、塗り薬を使用することも選択して
あせもは、皮膚を清潔に保ってあげることが治療の基本です。
いくら薬を使っても、皮膚をケアしなければ繰り返してしまいます。
また、お子さんがかかる病気のほとんどは薬を使用せずに治ってしまうものばかりです。
お子さんには不必要な薬は使わないように心がけましょう。