肩こりは揉んじゃだめ?4つの原因を知り、効果的な薬と予防法を学ぶ

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疑問
  • どうしていつも肩がこるのだろう。
  • 薬で良くなるのかな?
  • 何か予防のためにできることはあるのかな?   

そんな疑問を解決できる記事を書きました。

結論から言うと、肩こりを予防することが最も大切です。でももし症状が出てしまっても、今はいいお薬がありますよ。

僕が薬剤師で、調剤薬局とドラッグストアの両方に勤務経験があり同じような悩みを持つ方と多く接していてお薬の相談を受けているからこそお話できるのです。

これから解説する肩こりの原因について理解すれば、ツライ肩こりの悩みから必ず解放されます!

目次

肩こりが起こるのはなぜ?

 肩こりの仕組み

出典:くすりと健康の情報局

 

人間は、5〜6kgも重さのある頭を首と肩でバランスをとりながら乗せています。

一般人が使用するボーリングの球くらいの重さのあるものを肩の上に乗せているのと大体同じ感覚ですね。

重い頭をずっと支えている筋肉が疲れる 疲労物質である乳酸が溜まる 乳酸が筋肉の伸縮を鈍くし固くする 固くなった筋肉が血管を圧迫して血流を悪くしたり、神経を傷つけたりする 筋肉に十分な酸素や栄養が行き届かない 疲労物質の排除がうまくいかずに疲労が溜まる。の悪循環になっていくのです。

肩こりになる原因

デスクワーク

 

大きな原因は以下の4つと言われています

長時間の同じ姿勢

パソコンなどのデスクワークでは、首を前に突き出して猫背のように肩をすぼませた状態が長時間続くことで、首・肩の筋肉が緊張し続けて疲労がたまり血流が悪くなります。

眼精疲労

また、パソコンやスマホの画面など近くを見続けるとピント調節のための目の筋肉が疲れる、いわゆる眼精疲労となり同時に肩・首の筋肉も疲労してしまうのです。

運動不足

筋肉が柔軟に伸縮することで、血管も押されて血流を助けるポンプのような役割もしているのですが、運動不足により筋肉量が落ちると、ポンプの役割も低下するため血行不良になってしまいます。

ストレス

精神的なストレスはもちろんですが、強く冷房が効いた部屋などにいることは、体には大きなストレスになっています。

冷えは体温を逃すまいと血管を縮めて血行不良になり、さらにストレス自体が血管を細くして末梢の血流を悪化させるため、ますます血行が悪くなり疲労物質の排除がなかなか進まなくなり筋肉が硬くなってしまいます。

病気が隠れている可能性も

肩こり受診

 

ただの肩こりだと思っていても、その原因が他に存在する可能性があります
長期間にわたって肩こりが続いていたり、他の症状が伴っている場合は自己判断ではなく適切な医療機関への受診をお勧めします。

こんな時は
  • 頭痛やめまい、吐き気を伴っているという場合は、原因が他に隠れている場合があります。一度病院で診てもらいましょう。
  • 眼鏡が合わない、歯のかみ合わせが悪いなどが原因でも肩こりが起こることがあります。心当たりがある場合は眼科や歯科など適切な診療科を受診しましょう。
  • 頑固な肩こりや強い痛み、痺れがあるときは、整形外科で首の骨や椎間板の異常の有無などを調べてもらいましょう。頸部脊椎症や五十肩など他に原因がある場合は適切な治療が必要になります。

肩こりに効く市販薬

薬選び

外用剤

外用剤にもロキソニンやボルタレンなどの消炎鎮痛成分を使用したものが多く発売されるようになりましたね。

外用剤の最大の特徴は「直接患部に当てることができる」ため、すぐに効果が実感できるのがいいです。

剤形もシップ、エアゾールや液体など、使用部位や使い勝手によって使い分けることができので、それぞれの特徴や長所を生かすような適切な剤形を選択することで十分な効果が得られます。

1.塗り薬

曲げ伸ばしのある部位、貼り薬が貼りにくいところに使われます。

クリーム剤やゲル剤は手で塗り広げることで、軽いマッサージ効果があります。

ローション、液体タイプは、手を汚さずに塗れるので便利。また、スーッとする成分が配合されているので、冷却効果があります。

2.エアゾール剤

液体タイプ同様、冷却効果があるのでスーッと冷感タイプ。

速乾性があるので、使用後すぐに衣類を着ても気になりません。

3.貼り薬

やや厚みがあるシップは水分を多く含むため、患部への浸透が持続します。剥がれやすいのが欠点。

ピタッと張り付くテープ剤は、ある程度の動きに対しても剥がれにくいのですが、かぶれやすいのが欠点。

冷感タイプは、寝違えや、腫れや熱感など急激な炎症部位に使用します。
一方温感タイプは、灼熱感を与えポカポカとした感じを与えますが、冷感も温感もどちらも血行を促進させるという目的に違いはありません

内服薬

肩こり改善の飲み薬に不可欠なのは3つのビタミンです。

1.ビタミンB1

エネルギーを作り出すためにはビタミンB1が必要なのです。また、疲労物質である乳酸を代謝するのにもビタミンB1を使用します。

疲労回復や硬くなった筋肉を和らげる働きのあるのがビタミンB1です。

2.ビタミンE

一般的にビタミンEと呼ばれるαトコフェロールは、抗酸化作用を有し細胞などの老化を防ぎます。
また、α-トコフェロールは血小板凝集を阻害し血管拡張を促進し血行不良を改善します。

3.ビタミンB12

硬くなった筋肉により圧迫され、末梢神経に傷がつくと痛みや痺れの症状が出ます。

シアノコバラミンと呼ばれるビタミンB12は、傷ついた末梢神経を修復する作用があります。

イメージは電気コード。電線の周りがビニールで覆われていますが、そのビニールに破れた箇所があると、ビリビリと漏電します。
ビタミンB12は、破れたビニールを修復してくれるため、痺れや痛みが和らぐのです。

3つのビタミンがバランスよく配合された市販薬

薬以外のケア 

よくやってしまいがちなのが、ガチガチに硬くなったこりをほぐそうとしてグイグイと強く揉んでしまこと。

実はそれ、逆効果になることがあります。

強く揉みすぎると、筋組織が傷つき炎症が起きます。
炎症が起きると逆にその炎症を抑えようと血液が集まって滞留し肩こりを悪化させてしまう可能性があります。

そこで、筋肉の緊張を効果的にほぐす方法は2つ

ストレッチ

上記の肩こりの原因「同じ姿勢」と「眼精疲労」に有効です。

パソコン作業や読書など、無意識に同じ姿勢が続く場合はときどき目をつむり首をゆっくり後ろに反らせてみてください。急激に動かすと筋を痛めるので、必ずゆっくり行ってください。
このとき首や肩にこりを感じたり、少し痛みがあるときは、立ち上がり軽いストレッチをして筋肉の緊張をとりましょう。

そのときパソコンや本から視点が遠くに外れて、近くにピントを保ち続けていた目の筋肉の緊張がほぐれるので、眼精疲労に対しても有効です。

💡ポイントは肩甲骨と鎖骨

肩甲骨を広げる

息を吐きつつ、大きなボールを抱きかかえるイメージで両手を胸の前で大きな円を作り、背中を猫背のように丸めると肩甲骨同士の間隔が広がります。

鎖骨を広げる

息を吸いつつ胸を張り、鎖骨を左右に広げるようなイメージで背中を伸ばすと、今度は肩甲骨の間隔が狭くなります。ついでに、可能なら目のためにも窓の外など遠くに視点を向けるのもいいでしょう。

数秒ずつ肩甲骨と鎖骨を広げる体操を繰り返すと、肩が軽くなったように感じます。

身体を温める

上記の原因「運動不足」と「ストレス」に有効です。

肩こりを起こしているときは血流が悪くなっていて、新鮮な酸素や栄養が運ばれにくく疲れが貯まって抜けにくい状態になっています。

💡運動不足の筋力の低下による血行不良を改善するために、身体を温めましょう。

お風呂

熱すぎないお風呂にゆっくり入浴して体全体を温め、心も体もリラックスして疲れをとりましょう。

お風呂に入れないとき

蒸しタオル(レンジでチンしたときは火傷に注意)を患部に直接あてて温めましょう。
その際、優しくマッサージをすると血流改善を促進して筋肉をほぐす効果につながります。

予防

ストレッチ

正しい姿勢

普段から正しい姿勢を保つように心がけましょう。

猫背になると、頭が前屈みになり肩や背中の筋肉が疲労します。
先の鎖骨のストレッチの様に背筋を伸ばすように意識することが大事です。

また、座った時もいつも同じ方の足を組む、いつもソファの同じ側に寄りかかる、立って休むときにいつも同じ足に重心をかけて休むなど、無意識にやっている癖が筋肉のバランスを悪くして正しい姿勢を崩してしまうので、日頃から左右のバランスを意識することで肩こりを起こしにくくします。

運動

適度な運動で全身を使うことで、筋力がつき血流が改善されて肩こりの予防につながります。

また、スポーツなど身体を動かすことはストレス解消にもつながるため、定期的に運動をすることは心身ともに肩こりが起こりにくい体づくりとなっていきます。

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まとめ

まとめ-2
おさらい
  • 原因は「同じ姿勢」「眼精疲労」「運動不足」「ストレス」の4つ
  • 肩こりに効くビタミン「ビタミンB1」「ビタミンE」「ビタミンB12」の3つ
  • 予防に必要な心がけは「正しい姿勢」「適度な運動」の2つ

肩こりは心がけだけで十分に予防ができます。
起きてしまってからツライ思いをしないように日頃から意識して気をつけるようにしましょう。

肩こりになってしまったら、お薬の力を借りて少しでも症状を和らげてください。

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